JR脱線事故10年

何度も速度超過 そのとき運転士に何が起きていたのか 

【JR脱線事故10年】何度も速度超過 そのとき運転士に何が起きていたのか 
【JR脱線事故10年】何度も速度超過 そのとき運転士に何が起きていたのか 
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 平成17年4月のJR福知山線脱線事故を起こした宝塚発同志社前行き上り快速「5418M」。乗務した運転士=死亡=は当日、何度も速度超過で非常ブレーキを作動させていた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(当時、事故調)や、JR西日本と被害者が有識者を交えて事故を検証した「安全フォローアップ会議」の報告書をもとに、事故車両の動きを検証するとともに、事故後のJR西の「変化」をデータで示したい。

オーバーラン過少申告を依頼

 電車は午前9時4分前後に出発し、時速約120キロで北伊丹駅を通過。伊丹駅の所定の停止位置約643メートル手前を約113キロで走行中、停車を促すボイス機能(音声)が作動したが、そのまま約175メートル走行した。

 再びボイス機能と警報が鳴り、直後に常用ブレーキを使用。その後、車掌が非常ブレーキを操作した。運転士もブレーキを使用し、約72メートルオーバーランして停車した。所定停止位置に戻るため後退した際も約3メートル行き過ぎ、伊丹駅には9時15分43秒ごろに到着した。

 伊丹駅の出発は約1分20秒遅れた。車掌が、次の駅の案内放送をしたところ、すぐに運転士から車内電話で「まけてくれへんか」というような話があった。行き過ぎた距離を小さく報告してほしいという意味に受け取り、「だいぶと行ってるよ」と答えた。

 乗客の男性が客室との間を仕切るガラスをたたいたので、車掌は車内電話の受話器を戻した。その後、車掌は総合指令所に列車無線でオーバーラン8メートル、遅延時間は1分半と報告した。

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