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「ビリギャル」どん底から家族を再生させた母の告白…生活費くれぬ夫、荒れる子供たち

 夫婦間の亀裂は埋めがたいまでになり、夫はこころさんに生活費を渡さなくなった。さやかさんはこう振り返る。「パパが怒鳴って、弟が殴られてあざだらけになって、母が止めに入る。そんなのが日常でした。私も中学生くらいになった頃には『やめろよ! クソジジイ!』くらい言って、止めに入ってた。それで私も、パパが嫌いになっちゃったんです」

 「映画にも出てくるシーンなんですが、パパは弟だけ連れて焼き肉を食べに行くの。私たちは、ご飯とシャケだけの一汁一菜くらい(笑)。なんでこんなに違うんだろうって、許せなかった。でも今はわかる。パパは寂しかったんです」

お前には一銭もやらない

 「お前には一銭もやりたくない」。夫のそんな言葉を、こころさんも意地で受け止めた。パートをして家計をやりくりし、外出用の服でも数百円。さやかさんが『ビリギャル』の著者、坪田信貴さんの塾に高校2年の夏から通うためにかかった費用百数十万円は、パート代に加えて生命保険を解約したり、手持ちの貴金属を売り、1人で工面したお金だった。「主人はそこまで言うほど私が憎かったんですね。せめて子供たちには、夫婦げんかは見せないでおこうとしてたんですが、そんなのはまったく無駄でした。一つ屋根の下で、夫婦がいがみ合うと、家全体に怒りとか苦しみがうずまく。子供たちは、家のどこにいてもわけもなくおびえるし、不安になっているというのを感じたとき、変わらなければいけないと感じました」

 さやかさんの慶応合格は確かに、夫婦の和解のきっかけの一つだ。だが、「そんな単純なものじゃない」とさやかさんは言う。

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