首相、知日派育成へ研究支援表明へ 米3大学に各500万ドル拠出

 【ボストン=峯匡孝】訪米中の安倍晋三首相は27日午前(日本時間同日深夜)、米東部マサチューセッツ州ケンブリッジのマサチューセッツ工科大(MIT)を訪れ、日本の現代政治や外交に関する研究を支援するためMITとコロンビア大、ジョージタウン大にそれぞれ500万ドルを拠出すると表明した。

 外務省によると、平成27年度予算で対応するMITとジョージタウン大は、円換算で各5億5千万円。コロンビア大は換算レートが異なる26年度補正予算で措置したため4億8500万円となった。

 首相はMITの前にハーバード大も訪問し、学生からの質疑に応じた。アジア太平洋地域で強圧的な海洋進出を図る中国を念頭に「力による現状変更は決して許してはならない。アジアの海を平和、繁栄の海にしていくためにアジアの国々が協力するのも重要だ」と述べ、中国と韓国との関係改善に努力する考えを示した。

 これに先立ち首相は、2013年のボストンマラソンで起きた爆弾テロ事件の現場で献花し、黙(もく)●(=示へんに寿の旧字体)(とう)をささげた。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」など地球規模で拡散する国際テロに屈せず、米国とともに戦い続ける姿勢を示す狙いがある。

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