統一地方選

価値観生み出す4年間に 社会部長 三笠博志

 日本中で、地方の危機が人ごとのようになってしまわないだろうか。地方創生が大きな争点とされた統一地方選挙は、後半戦も候補者不足による無投票当選の多さと低投票率ばかりが各地で目立ち、論戦が盛り上がる選挙は少なかった。

 2040(平成52)年に全国自治体の半数が「消滅」する可能性を指摘した試算があるように、このままでは地方の人口減少は危機的状況になる。そこで政府は昨年末、若者30万人分の雇用を地方に創出することなどを盛り込んだ地方創生の総合戦略を決定し、各自治体にもそれぞれの戦略の策定を促している。

 しかし地域ごとに将来像の選択肢が論議されたとは言い難い。全体が低調でも、自・民対決型の大分市長選などは投票率が前回より伸びた。各政党は担い手となる候補者をもっと発掘し、住民の関心を高める責任があったのではないか。場合によっては議員の定数削減にも踏み込むべきだ。

 人口減少はすでに崖っぷちだ。無投票であれ、政党相乗りであれ、当選者に託された今後4年間は地域の運命を決める貴重な時間となる。「何をすれば」と悩む自治体関係者も多いが、手を打つのが遅れれば遅れるほど事態は悪化する。今まで以上に首長や議員の力が問われることになる。

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