山口県下関市で24日に開かれた長州「正論」懇話会の第8回講演会。産経新聞の阿比留瑠比・政治部編集委員の講演の主な内容は次の通り。
22日の日中首脳会談で、習近平・国家主席は笑顔を浮かべ握手しました。安倍外交の完全勝利です。
(23日に)3閣僚が靖国神社を参拝しましたが、中国報道官の批判は抑制的でした。トップがにこやかに会談すれば、激しい反論はできなくなるのです。
中国は「靖国不参拝」と、「尖閣諸島での領土問題の存在」の2点を認めない限り、安倍首相と会談しないと公言していた。直前のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)で安倍首相の演説は、先の大戦に対する「おわび」を盛り込まなかった。
それなのに、会談実現に持ち込んだのです。
中国は実利主義的な国。70年という節目が過ぎれば、徐々に歴史にこだわらなくなるでしょう。
感情的になり事実が見えなくなるのが韓国。外務省の某課長が、「韓国は道ばたに寝そべって泣き叫ぶ子供だ」と言った通りです。
安倍政権の韓国に対する考えは「放置」です。日中関係が改善すれば、自然に韓国は中国の後を追いかけてきます。
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日本の言論空間は、日本をおとしめるために、左翼が幅をきかせていた。
TBS記者が週刊文春で、韓国軍がベトナム戦争時に現地で慰安所を運営していたと報じました。なぜ雑誌で報じたのか。テレビでは報道が許されなかったからです。
最近、元経済産業省の古賀茂明氏が、官邸の圧力でメディアが萎縮したと盛んに訴えています。
権力からの批判や抗議は日常茶飯事ですよ。福田康夫氏は私のことが嫌いで、官房長官時代に4回も、産経新聞社のトップに「阿比留を官邸担当から外せ」と要請しましたが、別に気にしません。
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今回の安倍首相の米議会演説は日米関係を位置づける重要な意味を持ちます。
「おわび」は必要ありません。昨年7月、オーストラリア議会の演説で、安倍首相は外務省が提示した文面から、おわびの言葉を外した。それでも演説後は満場の拍手でした。同じパターンでやれば、拍手喝采で受け入れられるはずです。
夏に発表する70年談話は、けじめの談話にしてほしい。戦後、日本は一貫して平和を尊び、諸外国を支援した。よい影響を国際社会に与えてきたことを述べてほしい。われわれの子供や孫には、正しい歴史認識を持った時代を生きてほしいと願っています。