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今回は、朝ドラの収録現場についての話をします。『まれ』の場合、昨年10月に石川・輪島でクランクインし、約1カ月間の現地ロケを行いました。その後、基本的に東京・渋谷のNHK放送センターで撮影を行いつつ、横浜など各地で野外ロケを行っています。
収録はスタジオ、ロケ合わせて10カ月強にも及ぶ長期間。当然、キャストとスタッフの間にも交流があります。例えば、札幌出身のカメラマンがいるのですが、ヒロイン・希(まれ)の父親役で、北海道出身の大泉洋さんが「同じ札幌なんだから、良いアングルで撮ってよ!」と笑いながら、ゆるいツッコミを入れます。言葉では伝わりにくいと思いますが、大泉さんはこのようなやりとりで、現場の雰囲気を和ませてくれる方です。こちらも遊び心で、大泉さんを撮るカメラ(のアングルなど)は彼に担当させたりしています。
現場には関西出身のスタッフも多いので、希の母親役の常盤貴子さん(横浜生まれ、兵庫育ち)と阪神タイガースの話で盛り上がったりもしています。希を演じる土屋太鳳(たお)さんとは、日々の撮影後、体力づくりにランニングをしているという話や、好きな写真の話、過去に出演したドラマなどの作品の話をしたりします。そういうコミュニケーションも日々重ねることで、現場で良い関係が生まれてくるのだと思います。
収録は、毎回30~40人が参加する大所帯。その中の撮影、音声、照明、映像、VFX、これら技術スタッフ全体を統括するのがテクニカルディレクターである私の仕事です。NHK放送センターで撮影する場合、スタジオの副調整室という、モニターがたくさんある部屋にいて、5台のカメラ映像を確認しながら、マイク越しにスタジオフロアの撮影現場とやりとりします。