北朝鮮拉致

「命以外の全てを奪われた」「今回結果出なければ失望で体もたない」…蓮池薫氏が語る拉致被害者の「悲痛」

【北朝鮮拉致】「命以外の全てを奪われた」「今回結果出なければ失望で体もたない」…蓮池薫氏が語る拉致被害者の「悲痛」
【北朝鮮拉致】「命以外の全てを奪われた」「今回結果出なければ失望で体もたない」…蓮池薫氏が語る拉致被害者の「悲痛」
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 昭和53年7月に北朝鮮に拉致され、平成14年10月に帰国した蓮池薫さん(57)の講演会が4月5日、栃木県小山市で開かれた。「命を除いた全てを奪われた」と蓮池さんは、北朝鮮による拉致の残酷さを訴え、その中でも「夢」と「家族の絆」を取り戻すことの大切さを強調。今も北朝鮮でとらわれの身となっている被害者が夢と家族の絆を一刻も早く取り戻せるよう、早期の救出を呼び掛けた。

「たばこの火を貸してくれ」を合図に…

 蓮池さんは中央大学の学生だった昭和53年7月31日、当時交際中でその後結婚した祐木子さん(59)と新潟県柏崎市の海岸に出かけた。そこで拉致の被害に遭った。

 海岸に着いた蓮池さんと祐木子さんが歩いていると、「少し遅れて、3、4人の男が歩調を合わせるかのように歩いていた」。だが、2人は警戒することもなく、座って話していたという。

 すると、男の一人が蓮池さんに声をかけた。「たばこの火を貸してくれませんか」。とてもきれいな日本語だった。それもそのはず、その男は日本に住んでいたことのある工作員だったからだ。チェ・スンチョル容疑者。警察当局は現在、蓮池さん夫妻拉致事件の実行犯として、この男を国際手配している。

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