商業衛星の打ち上げでは通常失敗や軌道上での不具合に備えて保険がかけられるが、保険会社の設定する保険料率は衛星メーカーごとに異なり、信頼性を最も端的に示す指標となる。
保険料が安いほど全体の費用が抑えられるため、発注主は保険料率の低いメーカーを選びたがる傾向がある。三菱電機は現在、この保険料率が世界で最も低いメーカーの一つだ。
欧米と互角以上
DS2000を採用した衛星は8機が現在運用され、保険金が支払われる事故はゼロ。トラブルは一度も起こしておらず、保険の支払い対象にならないレベルの不具合さえない。三菱電機の蒲地安則・宇宙システム事業部長は「信頼性では欧米メーカーと互角以上に戦えている」と胸を張る。
世界の人工衛星市場では、米スペースシステムズ・ロラール(SSL)や米ボーイング、欧州エアバス・グループが事業を優位に展開。政府の全面的な庇護(ひご)を受けながら商業衛星分野への進出を加速し、事業の規模拡大や効率化を図っている。後発組の中国勢は技術力ではまだ差があるとはいえ、打ち上げ成功率を高め、新興国への売り込みを強化しており、侮れない。