中韓たじろぐ日本技術

海外受注の切り札「信頼性」を高める衛星プラットホーム『DS2000』の高品質

【中韓たじろぐ日本技術】海外受注の切り札「信頼性」を高める衛星プラットホーム『DS2000』の高品質
【中韓たじろぐ日本技術】海外受注の切り札「信頼性」を高める衛星プラットホーム『DS2000』の高品質
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 三菱電機は国内の人工衛星市場で約6割のシェアを握るものの、世界的には欧米メーカーに後れをとっている。しかし、近年は風向きが少しずつ変わってきた。公共向けの衛星だけでなく、商業用の受注も積み重ね、官需依存からの脱却が進んできた。海外からの受注も目指し、セールス活動を活発に繰り広げている。売り込みの切り札となっているのが「衛星バス」と呼ばれる同社の標準衛星プラットホーム「DS2000」だ。

 人工衛星は通常、電源や姿勢の制御といった基本機能を備えた衛星バスをベースに開発し、その上で発注者の目的を果たす機器を搭載している。衛星バスは部品を共通化して製造コストを抑え、設計期間を短縮するために欠かせない存在だ。

 特に商業衛星は、新技術の開発を主目的とする試験衛星が多い公共用よりも、価格圧力が強い。少しでも納期が遅れればビジネスチャンスを逃すため、信頼性と低価格、短納期といった3大ニーズを満たす衛星バスの活用が当たり前になっている。

 DS2000は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2002年に打ち上げたデータ中継技術衛星「こだま」、JAXAなどが06年に打ち上げた技術試験衛星「きく8号」などの成果を基に、静止衛星用として開発。主に重さ5トン程度の中型機としての採用を想定している。

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