日中首脳会談

安倍首相演説無視の習氏、即座に「歴史」反論の首相…冷徹な現実、友好ムードはあくまで「演出」

 安倍晋三首相と中国の習近平国家主席による日中首脳会談は、昨年11月の前回とは打って変わって「和やかな雰囲気」(同行筋)で行われた。だが、歴史認識やアジアインフラ投資銀行(AIIB)などに関しては、意見の隔たりは大きいままだった。

 「せっかくの機会だから、中日関係の発展について安倍首相の見解を聞かせてほしい」

 22日夕、会談会場で首相を出迎えた習氏は、笑顔で首相と握手をした後、ソファに座ってこう切り出した。会談後も、会談内容を質問しようと習氏を追いかける50人近い記者団に笑顔で何度も手を振り、友好ムードを醸し出した。

 だが、歴史認識問題になると習氏は態度を一変。「歴史を正視する積極的なメッセージを出すことを望む」などと、何度も首相にくぎを刺すことを忘れなかった。これには首相も即座に反論し、緊張が走った。

 午前中のバンドン会議60周年記念首脳会議でも、こんな場面があった。

 「プライムミニスター、シンゾー・アベ」

 場内に首相の名前がアナウンスされ、演説が始まる直前のことだった。それまで各国首脳の演説に耳を傾けていた習氏が突然、席を立って会場を後にしてしまったのだ。その時の習氏の「無表情」ぶりは、昨年11月の首脳会談で見せた態度を彷(ほう)彿(ふつ)とさせた。