浪速風

やっと晴れたら新緑がまばゆい

柏餅を見かけた。こんなところに季節を感じてうれしくなる。「水筒に新茶あふるる柏餅」(秋桜子)。俳句では柏餅は夏の季語である。例年になく雨ばかりの4月で、ついぞ気づかなかったが、いつの間にか新緑がまばゆい。和菓子も桜餅から柏餅へとバトンタッチである。

▶柏餅は「端午(たんご)の節句」に欠かせない。柏の木は新芽が出るまで古い葉が落ちないところから「家系が絶えない」、すなわち子孫繁栄をもたらす縁起の良い食べ物とされる。江戸から広まったが、関西では古くからちまきを食べた。童謡「背くらべ」も「ちまきたべたべ兄さんが…」と歌う。こちらは中国から伝わった。

▶川に身を投げた楚の政治家で詩人の屈原を悼んで供物を流すが、龍に奪われてしまう。そこで龍が嫌う葉で包み、邪気を払う5色の糸で縛ると無事に届いたという故事がある。端午の節句はまだ先だが、柏餅も、ちまきも、由来をかみしめて味わいたい。ともあれようやく晴れた。

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