NY在住の写真家・映画監督 日比遊一が日本で初個展「地の塩」

 ニューヨーク在住の写真家・映画監督である日比遊一が日本で初めての個展「地の塩」を東京・銀座で開催している。

 日比は名古屋市出身で20代で渡米。長編プロジェクトとして撮影を続けている「ロード・キル」は2013年にカンヌ映画際のアトリエ部門に米国代表として招待された。この部門では日本人として初参加となった。

 永住権取得のために20年以上前に一時帰国した際、日比はカメラを手に日本全国を旅した。「地の塩」は数回にわたって訪問した奄美大島で撮影したシリーズ。島民たちの笑顔、人とのつながりや会話を大切にする様子、家族のために汗水垂らす姿を収めたモノクロ作品だ。

 タイトルは聖書の中にあるイエス・キリストの言葉に由来。「塩は腐敗を防ぎ、浄化させる。神を信じる者は塩のように社会の模範であれ」という例えの通り、奄美を旅した日比は、島の人たちが昔からの言い伝えを守りながら生きる姿に「地の塩」を見たという。

 欧米で数々の個展を開いてきた日比は「写真展にしては一風変わった展示であるということと、今なくなりつつあるバライタプリントを、ぜひ観にいらしてください」と日本初の個展にコメントを寄せている。

 写真評論家の飯沢耕太郎氏とのトークイベントが25日午後3時から行われる。個展は5月23日まで東京・銀座の東京画廊+BTAP(http://www.tokyo-gallery.com/)で開催中。日比のHPのURLは、http://www.hibiyuichi.com

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