主張

与党安保協議 支障来す「歯止め」は排せ

 「歯止め」を設けることが目的化し、自衛隊の機能をいかに活用するかという肝心の視点を軽んじている。そうした印象が拭えない。

 国際紛争に対処する他国軍を後方支援するための自衛隊の海外派遣について、自民、公明両党が事前の国会承認を「例外なし」で必要とする案で合意したことだ。

 例外なき事前承認は、過剰な制約といえる。場合によっては弊害をもたらす。事前承認の原則を置くのは良いが、緊急時には事後承認を認めるべきである。政府・与党には再考を求めたい。

 事前承認の規定は、海外派遣を随時可能にする恒久法「国際平和支援法案」に置くものだ。

 国際平和支援法案が定める自衛隊の後方支援は、武力行使を伴わないとはいえ、国際的にみれば軍事行動の一種である。安全保障や軍事の分野では、想定外の緊急事態が起きやすい。

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