秘録金正日(21)

昼夜、外国映画三昧…40日間の軍事訓練さえサボり、叔父が殴る

 金正日(キム・ジョンイル)は、金日成(イルソン)総合大学の寮を利用せずに首相官邸から直接、大学に通った。在学生は全員、寮で生活するのが校則だったが、正日は特別扱いだった。

 大学では、正日の生活と勉学を専門に担う教授を指定し、正日が学ぶ主要科目には、その分野の最高権威を選び、官邸に出向いて個別授業を行うことにした。「党闘争史」は張成沢(チャン・ソンテク)の兄、張成●(=火へんに華)(ソンヨプ)、経済学は科学院(後の国家科学院)傘下の経済学研究所所長の金洸鎮(グァンジン)、「朝鮮革命史」は同大歴史学部長の朴時亨(パク・シヒョン)、語学は科学院傘下の語文学研究所所長の金秉済(ビョンジェ)がそれぞれ受け持った。

「猫の前のネズミ」

 私生活では、金正日は自由奔放そのものだった。大学でロシア語を教えた宋煕淵(ソン・ヒヨン)は「正日は父からもらったホー・チ・ミンの顔が文字盤に描かれたロレックスの腕時計をはめ、オートバイで平壌市内を疾走し、酒を浴びるほど飲むなど、青春を満喫していた」と振り返る。腕時計はベトナム建国の父、ホー・チ・ミンが金日成に贈ったものだ。

 誰も制御できない息子の振る舞いを気にしてか、日成は弟の金英柱(ヨンジュ)に息子の生活を監視するように頼んだ。首相になる姜成山(カン・ソンサン)の娘婿でその後、韓国に亡命する康明道(カン・ミョンド)によると、監視役の叔父の前で、正日は「猫の前のネズミのようだった」という。

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