浪速風

辺野古移設は千日手か

会談を前に握手を交わす安倍晋三首相と翁長雄志沖縄県知事=4月17日、首相官邸(酒巻俊介撮影)
会談を前に握手を交わす安倍晋三首相と翁長雄志沖縄県知事=4月17日、首相官邸(酒巻俊介撮影)

将棋の千日手は同じ駒の配置と手番を4回繰り返すと無勝負、指し直しとなる。劣勢を千日手に持ち込むのも戦法である。作家の坂口安吾は観戦記「散る日本」で、あえて千日手を回避して敗れた木村義雄名人を「千日手が絶対なら、千日手たるべきもので、それが勝負に忠実であり、将棋に忠実」と批判した。

▶こちらも千日手のように見える。米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる安倍晋三首相と翁長雄志(おなが・たけし)沖縄県知事の初会談は「移設が唯一の解決策」「絶対に造らせない」と平行線だった。知事が求めて実現したが、角突き合わせるだけで先の菅義偉(すが・よしひで)官房長官との会談と何ら変わらなかった。

▶菅長官には「粛々」を「上から目線」とかみついたが、反対派からは移設の是非を問う県民投票や、沖縄独立論も聞こえてくる。対して政府は辺野古移設の最善手を指し続けるしかない。仮に指し直しになっても、移設を白紙に戻すのではなく、日米合意を踏まえてが筋である。