新聞に喝!

本当に「右傾化」か、いまだ左右対立をいう朝日 ノンフィクション作家・門田隆将

 1989年のベルリンの壁崩壊以降、左右の対立は、世界史的にも、また日本でも、とっくに決着がついている。自民党と社会党との左右の対立で始まった「55年体制」の思考からいまだに抜け出すことができないメディアのありさまはマスコミ55年症候群とでも呼ぶべきものだろう。だがそんな旧態依然の論調とは無関係に世の中はとっくに違う段階に移っている。

 それは、「左右」の対立ではなく、「空想と現実」との対立である。冷戦下、米国の軍事力の傘の下、空想的平和主義を謳歌(おうか)してきた日本が、中国の膨張主義と軍事的脅威にいや応なく向き合わざるを得ない時代を迎えている。その現実を前に、「相手に手を出させない」ため、つまり、「平和を守る」ために、さまざまな手を打たなければならなくなった。しかし、左右の対立という単一の視点しか持ちえない朝日は、「日本の右傾化が問題」という論調を今も続けている。