米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、安倍晋三首相と移設に反対する翁長(おなが)雄志(たけし)沖縄県知事との初会談が行われた。
主張は平行線をたどったものの、国と沖縄県のトップ2人が直接、意見を交わした意義は小さくない。話し合いを継続する意向を双方が示したのもよかった。
日本と沖縄の安全保障がかかる移設実現への道のりは、なお険しいが、双方の意思疎通を保ちながら、粘り強く協議を重ねていく必要がある。
首相は会談で、辺野古移設を「唯一の解決策だ」と伝え、「丁寧に説明し、理解を得るべく努力を続けたい」と語った。これに対し、翁長氏は「絶対に辺野古に新基地は造らせない」とし、「固定観念に縛られず、移設作業を中止してほしい」と要求した。
世界一危険とされる普天間の危険性を除去し、沖縄の基地負担軽減を進める。さらに日米同盟の抑止力を保ちながら安全保障を確かなものにする。この3点が課題であることは変わりようもない。