浪速風

暗号解読が勝敗を決した

話題の映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」は、第二次世界大戦中、解読不可能とされたドイツ軍の暗号「エニグマ」に挑んだアラン・チューリングの数奇な生涯を描いている。その理論はコンピューターの誕生に重要な役割を果たしたが、長く無名の存在だった。

▶エニグマの解読によって戦争終結は2年以上も早まったとされる。しかし、解読成功を敵に知られると暗号を変えられてしまうため、チューリングの業績は軍事機密として伏せられたのだ。さらには当時は違法だった同性愛者として有罪になり、不遇のうちに亡くなった。非情な戦争の舞台裏である。

▶暗号の開発と解読は熾烈(しれつ)な情報戦で、勝敗の帰趨(きすう)を決める。太平洋戦争でもそうだった。日本軍の暗号を解読した米軍が、前線を視察する山本五十六連合艦隊司令長官の予定をキャッチし、ブーゲンビル島上空で搭乗機を待ち伏せして撃墜した。昭和18(1943)年4月18日である。