【日本の議論】詐病、告訴リスク、低待遇「心が折れそうになる」…塀の中の患者を診る「矯正医官」急減、その特殊な世界 (1/4ページ) - 産経ニュース

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詐病、告訴リスク、低待遇「心が折れそうになる」…塀の中の患者を診る「矯正医官」急減、その特殊な世界 

【日本の議論】詐病、告訴リスク、低待遇「心が折れそうになる」…塀の中の患者を診る「矯正医官」急減、その特殊な世界 
【日本の議論】詐病、告訴リスク、低待遇「心が折れそうになる」…塀の中の患者を診る「矯正医官」急減、その特殊な世界 
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 刑務所などで受刑者らを診療する常勤医師(矯正医官)が急速に減少している。民間医療機関の医師と比べた給与や勤務環境の格差が背景にあるとみられ、欠員率は2割を超えた。「矯正医療が崩壊する」と危機感を募らせる法務省は3月下旬、人員不足解消を目指し、兼業許可の柔軟な運用やフレックス勤務制を盛り込んだ新法案を今国会へ提出した。詐病や告訴リスクといった塀の中特有のストレスを抱える矯正医官を救うことはできるのか-。

詐病を使う受刑者たち

 「矯正医官の数が減り続ける原因は、受刑者との信頼関係の構築が困難なことに加え、低い待遇、訴訟リスクやキャリア低下など、挙げたらキリがない」

 福島刑務所に6年間務めた経験を持つ日向正光医師(43)=若宮病院(山形市)精神科・心療内科医長=はこう話す。

 日常業務の中でも、矯正施設特有のストレスがある。日向医師は「暴力をふるわれるとか、怖い思いをしたことはない」というが、著書「塀の中の患者様」(祥伝社)では、刑務所内での作業をサボるために腰痛を訴える40代の受刑者や、優越感に浸るために「昔、交通事故にあった。膝にあてるサポーターをくれ」と嘘をつく20代の受刑者が紹介されている。