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北朝鮮は今月初め、拉致被害者再調査をめぐる日朝協議中断を示唆する通知文を日本側に送り付けた。問題視したのは、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)トップ宅への家宅捜索だ。少し前、安倍晋三政権への直接非難を避けてきた北朝鮮が執拗(しつよう)な個人攻撃に出たのが、民主党の前原誠司元外相だった。なぜ野党元代表が標的になったのか。過剰ともいえるその反応からは、金正恩(キム・ジョンウン)政権と朝鮮総連間のアキレス腱(けん)が浮かび上がる。(桜井紀雄)
そんな団体あったの?
「日本警察が最近、不法無道にわが共和国(北朝鮮)の最高人民会議代議員である(朝鮮)総連責任幹部らの自宅を強制捜索するという前代未聞の国家主権侵害行為を敢行した」
ラヂオプレス(RP)によると、朝鮮中央通信が2日、伝えた北朝鮮の通知文は、こう警察の捜索を非難した上で、日本政府に謝罪を求めるとともに、「このような状態では朝日政府間対話も行うことができなくなっている」と主張した。
3月26日、北朝鮮産マツタケの不正輸入事件の関係先として、京都府警などの合同捜査本部が、朝鮮総連トップの許宗萬(ホ・ジョンマン)議長の自宅などを家宅捜索して以降、北朝鮮は、官営メディアや傘下の対外団体が総出で、捜索を糾弾するキャンペーンを繰り広げてきた。