衝撃事件の核心

「15億→29億円」ダイエー跡地をめぐる〝疑惑〟に満ちた売買 市と業者の癒着を徹底追及 大阪・門真

ダイエー跡地をめぐる資金の流れ
ダイエー跡地をめぐる資金の流れ

 15億円で購入できた土地・建物になぜ29億円もの公金が支払われたのか-。大阪府門真市が市役所近くで建設を予定している市立体育館をめぐり、地元が揺れている。市は建設予定地となっている旧ダイエー店舗跡地の買い取りをいったん見送り、地元不動産会社が15億円で取得。しかし、市はその3年後に不動産会社に約29億円もの移転補償費を支払った上、代替地を用意までして予定地を確保した。さらに当時購入を見送る判断を下した市の幹部がこの不動産会社に再就職し、取締役に就いたことも発覚。29億円もの支出は国の基準に従っただけというが、一連の経緯が不透明なだけに〝癒着疑惑〟として波紋を広げ、市議会が紛糾する事態に発展している。

巨額支出、市は「適正」

 市や関係者の話などによると、市立体育館が建設されるのは市役所北側にほぼ隣接する約6千平方メートルの用地。市は平成28年(2016)度末までの完成を目指している。もともとはダイエーが運営するディスカウントストア「トポス」が営業していたが、22年3月末に閉店した。

 ダイエーは跡地を売却するため、入札を経て22年3月26日付で地元不動産会社と土地・建物の売買契約を締結した。売却額計15億円のうち土地は11億2500万円。店舗は築40年以上が経過していたが3億7500万円の値が付いた。

 しかし、不動産会社が所有して約1年半後、事態が一変した。市は23年8月、財政見直しで財源に一定のめどが付いたとして、懸案事項の一つだった市立体育館をダイエー跡地に予算規模約28億円で建設すると発表したのだ。

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