野毛山動物園入場者32年ぶり100万人突破 地域一体の努力実る

 横浜市立野毛山動物園(同市西区)の平成26年度の入園者数が、32年ぶりに100万人を突破した。一時は約35万人にまで落ち込んだが、地域一体となった地道な努力が功を奏し、徐々に客足を回復してきた。昨年死んだ世界最高齢のフタコブラクダ「ツガル」(雌)を追悼する多くのファンが訪れたことも一時的な要因となったが、安定した集客増に向け、同園は意気込みを新たにしている。

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 同園によると、昨年度の入園者数は101万2千人を記録。記念すべき100万人目は、3月30日に来園した東京都青梅市の教諭、服部仁壽(よしかず)さん(27)の家族3人だった。

 同園は昭和26年に遊園地と動物園を併設した「野毛山遊園地」として開園し、39年には遊園地の閉鎖に伴って入園料を無料化した。市中心部で気軽に訪れることができることも魅力となって、57年には106万8288人を達成した。その後は金沢動物園(横浜市金沢区)が開園したことなどが影響して徐々に客足が遠のき、よこはま動物園ズーラシア(同市旭区)が開園した平成11年には35万4504人まで落ち込んだ。

 こうした苦しい状況の中、同園は入園料無料を貫くため地道な努力を続けた。餌やりの時間に飼育担当者が生態を解説する「動物たちのお食事タイム」を毎日実施したり、市内小学校への出前授業など、動物に親しみを持ってもらうような企画も打ち出した。

 同園の努力を地元住民らも後押しした。20年8月には近くの野毛地区の飲食店が中心となり、「野毛山動物園応援団」を結成。店内に募金箱を設置して資金集めに協力したり、同園のポスターを張り出すなど知名度アップに協力してきた。

 取り組みの効果が徐々に見え始めていた中、昨年5月には同園で約30年間飼育していたツガルが死んだ。6月に開催したお別れ会には約500人のファンが詰めかけ、メモリアル企画展「ツガルさんのいえ」は、ファンの要望により当初の予定より約3カ月延長するほどの盛況ぶりだった。

 くしくも、同園が前回100万人を突破したのはツガルが来園した年だった。ツガルの飼育を長く担当した桜堂由希子さん(29)は「ツガルさんは全国にファンがおり、大きな反響があった。(ツガルさんに)『おかげさまで100万人を突破できました。ありがとうございました』と伝えたい」と話し、「今年度からはツガルさんがいないけれども、100万人に届くよう努力したい」と気を引き締める。

 地域と一体となった努力で達成した100万人超えに、鈴木浩園長(59)は「これからも多くのお客さまに世代を超えて愛され、親しまれる動物園を目指し、職員一丸となって取り組む」と話している。(小林佳恵)

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