生活の知恵

「入園グッズは手作りで」幼稚園・保育園から求められ母親は…

見学時に園の方針、確認を

 一方で、見た目のかわいさや出来映えの良さにひかれ、業者に外注する人も少なくない。『◯◯幼稚園の指定品を縫います』と、外注を請け負う業者もあり、情操教育とはかけ離れた実態もあるという。

 三木さんは「幼稚園の場合は、自分で教育方針にあった園を選べますが、保育園の場合は、待機児童の多さのために入れることに必死になり、保育方針まで目が行かず、入園が決まってから慌てる場合がある。いずれにしても、入園申し込み前の見学段階で、園の方針や手作り品の有無など事前に確認して、自分の考えにあった園を選べるといい」と話す。

 学習指導要領の改訂で、平成5年から中学の家庭科と技術が男女共修になり、女子にとっては家庭科の授業数が従来に比べ、およそ半減した。昭和40年代の女子中学生は、年間105時間(週3コマ)、3年間みっちり家庭科を習った。一方、平成5年以降は、技術と家庭科が男女共修になり、中学の家庭科は週1コマしかない。しかも既製服の手入れ方法などが中心で、被服製作を行わなくなった学校もある。「小学校卒業以来、針を触ったことがない」(ミシンメーカーの社員)という声もあるほど、女性の手作り品の製作能力は全体的に低下している。

 時代は変わったのに30年、40年前と変わらず、母親の手作りを求める保育園や幼稚園とのずれを感じる一方、自分の手で子供のものを「作りたい」と思うのも親心。手作り品には、既製品にはない温かみがあるからだ。少しだけでも作っているところを子供に見せ、完成したものを手にすれば、喜びもひとしおだ。それができない場合に、裁縫やミシンが得意な親戚やママ友、近所の知人など育児のネットワークを築く機会にするといい。時間をかけて作った持ち物には、目に見えない大事なものを伝える「力」があるはずだ。

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