生活の知恵

「入園グッズは手作りで」幼稚園・保育園から求められ母親は…

「下手でも、子供が喜ぶ」

 そもそもなぜ、保育園、幼稚園側は、手芸が好きな人も嫌いな人も、忙しい人もそうでない人も、ほぼ強制的に手作り品を求めるのだろうか。

 都内のある公立保育園の園長は「シーツの手作りは、保育園ができた30~40年前の時代の名残。そのころは一家に一台ミシンがあるのが普通で、今のように既製品がないから何でも家で縫っていた。また、自治体によってはシーツ代を用意するお金がないという財政的な理由もある。ただ、シーツにマークを付けたり、バッグやエプロンなどを共布(ともぬの)で作るのは、字をまだ読めない子供のため。マークがあったり、同じ布で作られていたりすることで子供は自分も持ち物と、他の子供の持ち物を区別しやすい」と説明する。

 さらに、子供にとっての利便性のほかに一部の保育園、幼稚園は親子の絆を育む「情操教育の一環」として親の手作りを求めているようだ。

 インターネットメディア「ノーツマルシェ」などで活躍する保育情報アドバイザー、三木育美さん(42)は、中学2年から小学3年まで4人の子供を私立保育園に通わせた。その際には、布おもつはもちろん、お昼寝中に一緒に眠るために手作りのぬいぐるみ、手作りのパジャマなどを求められた。

 保育園側は、親が作ったぬいぐるみをよりどころに、子供が親と離れる寂しさを紛らわせ、耐えさせようとしたのだと三木さんは考える。

 「時代の流れで、市販のものでもいいという園もありますが、親の手作り品は下手でも子供が喜ぶ。ものを大切にする気持ちも芽生える。ベビー服で作ったぬいぐるみを、小学生になった後も一緒に寝ている娘をみると、作ってよかったと思う」と三木さん。

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