甲信越ある記

山梨・小菅村「道の駅こすげ」 イタリアンな源流レストラン

 山間の小菅村に本格イタリアンレストランを含む「道の駅こすげ」ができた。イタリア製ピザ用本格石窯を据えたレストラン名は、太平洋に注ぐ多摩川の源流域だけに「源流レストラン」。料理は村産野菜を使った「ぺぺロッチーニ」「ペンネアラビアータ」のパスタや、村産大型ニジマス「甲斐サーモン」のポワレやマリネ。肉料理では「甲州信玄鶏のロースト」「富士桜ポークのグリル」。焼けたチーズの香りがたまらないピザのマルゲリータにも村産野菜が使われている。

 村は東京都奥多摩町から車で約30分。甲府方面から通じる国道411号、大月市からの国道139号などが交差する要所だが、難所が続く峠道はドライバーに敬遠された。しかし昨年11月に139号に難所を解消した「松姫トンネル」が開通し、距離感を縮めた。3月29日の道の駅完成式典で舩木直美村長は「松姫トンネル開通で交通量が増えると期待して、村の歴史、文化に触れ、川魚や野菜を楽しんでもらおうと計画した」とあいさつし、トンネル開通に合わせ道の駅建設を進めてきた経緯を説明した。他にないスタイルの道の駅で交流人口を増やそうという発想だ。だが、なぜイタリアンか。

 道の駅こすげのエリア内には村営温泉「小菅の湯」がある。道の駅をコーディネートした企画会社の担当者は、「道の駅で提供する食事をそば、うどんでというアイデアもあったが、温泉では和食を提供する食事処(どころ)がある。差別化を図る必要があった」と話す。道の駅こすげは国道139号から200メートルほど入る。「このため道の駅の意外性、新奇性がほしかった。それと温泉利用客は50~60代がほとんど。女性客を含む30~40代の年齢層に拡大する狙いがあった」とも話す。道の駅というと、目的地までの間の休憩施設が一般的だが、道の駅エリアを1日過ごす目的地にしたい村の狙いが見える。村には「多摩川源流大学」という東京農大(東京都世田谷区)のサテライト機関がある。学生が農業実習で村に滞在している。農大との連携で新野菜を開発し、提供メニューの拡大を計画している。(牧井正昭)