湯浅博の世界読解

歴史認識は余計だ…注目の安倍首相「米議会演説」、中露に強固な関係を誇示せよ

中露という「現状打破勢力」の権威主義国家に対して、日米の「現状維持勢力」ががっちりと手を握る必然性がある。とりわけオバマ政権は、アジア地域のリバランス(再均衡)を具体化するよう求められる。

歴史問題は本質そらす

共和党主導の米議会は、オバマ政権の甘い外交政策に飽き足らない。軍事外交の有力上院議員が3月に、国務、国防両長官あてに中国の南シナ海と東シナ海での領土拡張に包括的戦略を打ち出すよう書簡を送ったのは当然であった。

安倍首相訪米の主眼は日米同盟の強化にあり、日本や韓国のメディアからの「議会演説で歴史認識に触れよ」との要求は余計なことなのだ。新米国安全保障センターのフォンテイン会長は米誌で、むしろ「歴史問題はことの本質から目をそらす」と冷静にみている。フォンテイン氏は、安倍首相の議会演説を「アジアの安全保障や日本の指導力についてのビジョンを打ち出す好機」ととらえ、「歴史をつくる機会とすべきである」と結んだ。至言である。(東京特派員)

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