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3月25日、海上自衛隊最大艦艇のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」が就役した。空母のような「全通甲板」を持つヘリ搭載護衛艦はこれで3隻目だが、全通甲板を持つのはヘリ搭載護衛艦だけではない。「おおすみ」型輸送艦もまた、艦首から艦尾まで続く平らな甲板を有している。
「おおすみ」「しもきた」「くにさき」の3隻が配備されている輸送艦は、その名の通り海上輸送に特化して建造された。日本への侵略を想定し、海岸や離島に隊員や装備を送り届ける。完全武装した陸上自衛官約350人を運べるほか、90式戦車10両、トラック40両以上の輸送が可能。民間人であれば約1000人が乗ることができる。
「おおすみ」の導入が決まった平成5年当時は、前年に自衛隊が初めて国連平和維持活動(PKO)に参加するためカンボジアに派遣されており、大型の輸送艦が求められていた。
大規模災害時の被災者支援でも重要な役割を担う。23年の東日本大震災では三陸沖に展開し、入浴施設や医療施設を活用した。現地の港湾機能がまひする中で、搭載する2隻のエアクッション型揚陸艇「LCAC(エルキャック)」が物資の陸揚げも行った。
最近になって注目を集めるのは、水陸両用作戦での役割だ。