わが社のオキテ

いきなり上司にビンタ!? セールストークは漫才で磨け…ライブ出演の強者も出るアップガレージの芸人顔負け研修

 午前10時~午後6時ごろまでの1日がかりの漫才研修は、大手芸能事務所の養成所の講師から、ボケとツッコミの役割など漫才のメカニズムを学ぶことから始まる。

 その後、あらかじめ決められた相方と協力して数時間で漫才のネタ作りを実践。最後には、石田会長や他の社員らの前でネタを披露し、優秀な作品が選出される。まるで若手の芸人を一から育て上げるような本格的なプログラムだ。

 発表する漫才のネタは参加者によってさまざまだが、同じ部署の直属の上司と部下や、社内恋愛で結婚した夫婦がコンビになることもあり、「日々の仕事や生活の様子をネタにする参加者も多い」(同社社員)という。

 一方で、なかには大勢の人の前で話すことすら苦手だったという社員も当然いる。だが、そういった社員の多くは、恥を捨てて社長らの前でやりきった漫才で笑いが起きたことで、自信がついたケースが目立つという。参加者の1人は「自分の殻を破ることができ、顧客との接し方を変えることができた」と喜ぶ。

お笑いライブまで…

 同社は、笑いのセンスだけでなく、ビジネスの交渉に必要な「度胸」を従業員に身につけさせる取り組みも行っている。

 昨年から不定期に東京・下北沢の劇場で入場料千円(前売り)のお笑いライブを開催。なんとプロの芸人とともに、漫才研修で鍛えあげた社員らを積極的に出場させているのだ。お金を払って入場する客の前で披露する漫才は、社内研修とプレッシャーの度合いがまるで違う。同社広報担当者は「漫才を会社の外の人に見せて笑わせる高いハードルを越えられたら、どれだけシビアなビジネスの現場でも物おじしない強いハートを持てる」と話す。

公告と“一石二鳥”

 お笑いライブは、会社の知名度を幅広い層に広げる効果も生み出している。同社の店舗には、車やバイクに興味がない人は訪れることは少ない。ただ、お笑いライブで社員が奮闘する姿を目にしたことで、初めてアップガレージという会社に興味を持つようになった客も少なくないという。同社は「社員の漫才をきっかけに車やバイク好きを増やし、業界全体を盛り上げていきたい」と意気込む。

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