昨7日の朝刊各紙はそろって教科書検定を大きく取り上げた。中学校の社会科の全教科書で、竹島と尖閣諸島が「日本の領土」と明記された。政府見解を尊重する記述を求めた新しい検定基準に基づく。産経と読売は妥当な結果と評価したが、朝日、毎日は違った。
▶社説で「教科書は、国の広報誌であってはならない」(朝日)、「部分的にだが、それは『国定教科書』的性格を帯びたといえないだろうか」(毎日)と主張する。領有権をめぐって争いがあるのに一方的だ、と言いたいのだろうか。だが、竹島、尖閣諸島がわが国の固有の領土であることに疑いはない。
▶教科書検定に韓国、中国は反発しているが、韓国が竹島を不法占拠し、中国が尖閣諸島の周辺で領海侵犯を繰り返している事実をこそ教えるべきなのだ。そこから領土への理解が深まる。修正されたが、以前の教科書には「従軍慰安婦」や「強制連行」の記述が見られた。ミスリードしたのは誰かを問いたい。