けいざい独談

欧州の脱原発は参考にならない はるかに難しい日本のエネルギー改革

 スウェーデンでは90年代に電力改革に着手し、発送電分離も実施。ドイツも90年代末には小売りの全面自由化を実施し、発送電分離も終えている。欧州各国は、90年代の終わりからの欧州連合(EU)による「指令」に応じ、電力自由化を進めてきた。

 欧州では、それと歩調を合わせ、電力市場の整備も進んだ。電力はもはや「需要と供給」で価格が決まる市場で売買される商品の性格を持つようになった。

 一方、ドイツでは昨年、国の電力に占める再生可能エネルギーの電源構成比が最大となった。再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)により、原発の発電量が減った分を補う再生エネの導入量が伸びたことも、その要因のひとつだ。

 だが、FITの賦課金が上乗せされた電気料金の高止まりなど、ひずみも生じており、政府は電気を入札して買い取る再生エネの制度改革に乗り出している。

 また、気象条件により発電量が変動する再生エネの導入量が伸びたことから、再生エネの発電量が少ないときに電力を補う「バックアップ電源」を確保する必要も生じた。ドイツ政府には、バックアップ電源となる火力発電所への民間投資を促す「電力市場の新たな制度設計も課題」(経済エネルギー省のライナー・バーケ事務次官)になっている。

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