けいざい独談

欧州の脱原発は参考にならない はるかに難しい日本のエネルギー改革

 では、日本もスウェーデンのような「脱原発」が可能なのか。日本とスウェーデンの大きな違いは、国境を越えた送電線の有無にある。島国の日本は、他国と送電線が結ばれておらず、国内の電力は必ず独力で確保しなければならない。一方、スウェーデンの送電網は、北欧の統一電力市場「ノルド・プール」に組み入れられており、電力が足りなくなれば、他国から買ってくることも可能だ。

 同国の電源構成比は、原発と水力がそれぞれ4割を占めてきた。ゆっくりと原発の電力が減少していっても、安定した発電ができる水力があり、電力の安定供給に支障をきたす恐れは小さそうだ。

二重の難関

 電力確保をめぐっては、同じことがドイツにもいえる。ドイツも欧州の統一的な電力市場で、足りなくなった電力を他国から買ったり、余った電力を売ったりできる。また、ドイツは国内に石炭を埋蔵しており、いざとなれば石炭火力で必要な電力供給ができる。

 電力の安定確保の観点からは、欧州の脱原発国と日本は大きく事情が異なるといえる。だが、欧州の電力事情を取材して特に痛感するのは、欧州各国は、日本よりかなり早い段階から電力自由化に取り組んできたという事実だ。

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