けいざい独談

欧州の脱原発は参考にならない はるかに難しい日本のエネルギー改革

スウェーデンのオスカーシャム原子力発電所。原発(右奥)に使用済燃料中間貯蔵施設(左手前)が併設されている(スウェーデンの原子力関連会社SKB提供)
スウェーデンのオスカーシャム原子力発電所。原発(右奥)に使用済燃料中間貯蔵施設(左手前)が併設されている(スウェーデンの原子力関連会社SKB提供)

 ドイツのメルケル首相が3月、7年ぶりに来日した。福島第一原発事故をみて「脱原発」を決断したメルケル氏が、「日本も同じ道を進むべきだ」と述べたこともあり、日本は原発にどう向き合うべきかの議論が改めて注目された。欧州では、スウェーデンやイタリアも脱原発に向かっており、「日本は欧州に学べ」という議論も聞かれる。はたして欧州の電力事情は、どこまで日本の参考になるのだろうか。欧州での取材を通じて考えた。

“自然死”選んだスウェーデン

 日本記者クラブの欧州取材団に参加し、2月、原発を保有するスウェーデンからドイツへと視察した。

 スウェーデンは、昨年秋に成立した社民党と環境党の連立政権が、既存原発の更新を認めていた従来の政策を転換。新たな建設計画を凍結させる原発政策に舵を切った。取材団の会見に応じたイブラヒム・バイラン・エネルギー担当相は、「(時間的な)区切りをつけて原発を廃止しない」と話し、期限を定めて原発を政府が廃止していく考えがないことを強調した。

 ドイツは「2022年までの全原発の稼働停止」を決めたが、スウェーデンはドイツとは異なり、自由化された電力市場で、原発が次第に消滅していく「自然死」の道を選んだといえる。

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