相続した空き家の放置は問題の先送り… 「早めの対処」カギ 全国の空き家820万軒

 しかし、空家対策法施行後は、自治体が崩壊などの危険性がある「特定空家」と判断し、所有者が解体などの指導に従わず、勧告を受けると特例の対象外に。更地と同等に課税される。建物の固定資産税評価額はゼロになる予定だが、総務省固定資産税課は「更地と同様に課税されることで、3~4倍程度税額が上がるケースが多いだろう」とする。

 「相続した空き家をそのまま放置するのは問題の先送り」と中川さん。防犯上も早めの対策が求められている。

 ■自治体が活性化に利用

 空き家の有効活用で注目されているのがリノベーション(大規模改修)だ。古い民家や商家をゲストハウスやカフェ、シェアハウスなどの建物に改修。「空き家バンク」を通じて入居者を集め、活性化につなげている自治体もある。

 広島県尾道市では平成19年、NPO法人「尾道空き家再生プロジェクト」が結成され、建築家らと協力して空き家の再生と移住者の募集を開始。21年から24年の4年間で約70軒に新規入居があった。

 空き家活用による地域活性化を調査した日本政策投資銀行の角間崎(かくまざき)圭輔さんは「更地にするより、使う前提で建物のその後を考えたほうがいい。町全体が元気になる取り組みが求められている」と話す。

会員限定記事会員サービス詳細