教科書検定

防災意識の定着狙う 震災、全教科55%が記述 国語、数学にも

 文部科学省が6日に検定結果を公表した中学校教科書では、全9教科104点の55%に当たる58点が何らかの形で東日本大震災を取り上げた。現行教科書でも約3割に記述があるが、大半は年表などで、本格的に防災意識の定着を狙ったのは今回から。これまでになかった国語や数学なども含め初めて全教科に記載された。発生から4年が過ぎ、復興の進捗(しんちょく)状況や記憶の風化対策など各社とも一歩踏み込んだ内容となった。

被災者へ配慮

 前回検定は平成22年度に実施。震災は検定の最終段階で発生したため、現行教科書にある震災関連の記述はいずれも検定合格後の訂正申請によって追加された。訂正申請では大幅な加筆はできないため年表や注釈の追加などに留まった。

 今回の国語では20点中8点に登場。東京書籍は3年用教科書で12ページにわたり、メディア情報を主体的に読み取る課題に絡め、宮城県の地元紙記者が新聞発行に悪戦苦闘した震災当時を振り返る文章を掲載した。

 死者・行方不明者が1万人を超えた際の記事の見出しに「死者」を使わず、被災者への配慮からあえて「犠牲」と和らげた理由などが説明され、生徒に大災害時の情報の伝わり方などを考えるよう促している。