教科書検定

再稼働と脱原発併記 原発事故で各社記述増も内容苦心

 各社とも東日本大震災に伴う原発事故という事実を淡々と記述し、原発に安全面の課題があることを指摘。再生可能エネルギーなどの紹介に紙幅を割いているものの、結論的に「脱原発」に踏み込むことはせずに、日本社会がいまだ課題を模索している現状の記述にとどめた形だ。

 ある編集担当者は「エネルギー問題は現時点で結論が出る問題ではないので、どこまで踏み込んでいいものか苦心した」と明かし、「脱原発、推進のいずれかへの誘導になりかねないので、バランスを確保する意味でも事実を積み上げた上で両論併記するにとどめざるを得ない」と話した。

 また原子力についての記述は難しくなりがち。東京書籍の3年用の理科には当初、原発事故の解説に「炉心」「半減期」など中学校の学習内容になかったり、高校で学習する内容だったりする用語を使っていたが、「生徒にとって理解しがたい」と検定意見が付けられ、修正した。

 これまで放射線の記述がなかった保健体育は4点中2点が「放射線と健康」のテーマで、内部被曝(ひばく)と外部被曝の説明やレントゲンなど身の回りの放射線について解説を加えた。国語は光村図書出版の2年用教科書に、原発事故で立ち入り禁止区域に残された動物の写真集の読書案内が掲載された。