統一地方選の告示から一夜明けた4日、大阪市を5つの特別区に分割し、大阪府と役所機能を再編する「大阪都構想」の是非が最大の争点となる大阪には早速、主要政党の幹部が候補者の応援に駆けつけた。汗ばむような陽気の中、休日でにぎわう繁華街などに繰り出し、都構想賛成・反対双方の立場で主張を展開した。都構想の是非を問う大阪市民対象の住民投票が5月17日に控えていることもあり、各党の訴えに熱心に耳を傾ける市民の姿が見られた。
「税金の無駄遣いをやめる役所に一から作り直すのが大阪都構想だ」
この日の最高気温が5月下旬並みの25・1度と今年最高を記録した大阪市。午後3時すぎ、同市都島区では大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長と維新の党の江田憲司代表が、候補者とともに都構想をPRした。
橋下氏は府と市の過去のハコモノ行政や二重行政を示したパネルを指しながら「でたらめにこんなことをやり続けてきた政治や行政を改めようというのが都構想、大阪維新の原点だ」と改革の必要性を強調。
一方、江田氏は住民投票について、「大阪市の将来を直接決められるのはうらやましい」と述べた。
自民党府連の竹本直一会長は松原市内で開かれた府議選候補者の演説会で、「大阪をもう一度豊かな街にするのは自民党にしかできない」と主張。都構想は「大阪市を廃止し大阪市の格を下げるだけで何らいいことはない。(維新の主張に)酔わされてはいけない」と痛烈に批判した。
公明党は山口那津男代表が大阪市中央区の南海難波駅前で街頭演説。「政策を実現する具体的な働きは公明党にしかできない」と強調し、政権与党としての実績をアピールする一方、都構想には言及しなかった。
民主党は、辻元清美政調会長代理が高槻市のJR高槻駅前で府議選候補者を応援。「(都構想がどんな制度か)大阪の人はほとんど分からないのに維新は勝手に進めようとしており、ストップをかけなければいけない。分からないまま進めたら後々どうなるか」と声を張り上げた。
共産党は党府委員会副委員長の清水忠史衆院議員が大阪市北区の天神橋筋商店街を訪れた。府議選、市議選の候補者とともに練り歩き、「大阪市を潰して半人前の街にしてはならない」と都構想批判を展開した。