経済裏読み

クラプトン、ジミヘンになりきるなら…米フェンダー社の逆襲 コピーで育った日本、本物にはやはり勝てない!?

 その後、キヤノンは技術を磨き続けドイツ製に遜色ない製品を作り、世界市場で支配的な地位を築く。高級カメラの分野で、ニコンと並んで日本勢は敵なしの「本物」になった。

 ただ、エレクトリック・ギターは、こうした道をたどらなかった。

 ラジオや音響機器の修理業からスタートしたフェンダーは、エレクトリック・ギターの開発にあたり、伝統的な楽器製造の常識を打ち破ってネジとプラスチックを多用。工場で均質に量産できるギターを1949年に発表した。

 製造しやすいだけにコピー商品が生まれ、低迷期もあったが、90年前後から人気ミュージシャンに機材を提供し、共同開発。さら職人の名前まで売り出してブランド力を高めた。コピー商品を持っている人にも「いつかは本物を」と思わせ続けている。日本製の高級ギターもあるが、多くはフェンダーの亜流の域を出ていない。

 フェンダーの日本進出の背景にあるのは、ブランド戦略の巧みさなのか、それとも日本人の本物を見分ける眼なのか。あるいは日本メーカーに、米国文化を消化し乗り越えるだけの力がなかったとみるべきか。

会員限定記事会員サービス詳細