浪速風

残念ながら雨の予報だが

咲き誇る桜の下をゆっくりと進む観光屋形船「十石舟」。週末には「花散らしの雨」の予報も…=1日午後、京都市伏見区(志儀駒貴撮影)
咲き誇る桜の下をゆっくりと進む観光屋形船「十石舟」。週末には「花散らしの雨」の予報も…=1日午後、京都市伏見区(志儀駒貴撮影)

天気のことわざに「春に3日の晴れなし」がある。この季節、高気圧と低気圧が交互にやって来て、晴天は長続きしない。高気圧も北から張り出すのと、南からでは気温がぐんと違う。例年のことだが、今年はとくに恨めしい。せっかく桜が満開になったのに、週末から来週にかけて雨の予報が並ぶ。

▶唐の詩人、于武陵の五言絶句「花発多風雨 人生足別離」を、井伏鱒二は「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」と訳した。友と酌み交わすのは別れの酒か、それとも一期一会を楽しんでいるのか。この名訳に寺山修司は「さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう」と返した。

▶水面の浮かぶ花びらを「花筏」と呼ぶように、「花散らし」の雨もまた風情だ。おっと、花散らしの本来の意味は「3月3日を花見とし、翌日若い男女が集会して飲食すること(九州北部地方でいう)」(広辞苑)らしい。説明するのは野暮だから、ご想像におまかせする。