被告側は訴訟で「公道に面する空き地にテントを立てて原発への抗議を表明することは表現の自由で認められるべきだ」と占有の正当性を主張したが、地裁は今年2月26日、テント撤去と土地の明け渡しなどを命じ、判決の確定前でも強制執行ができる「仮執行宣言」を付けた。実際に立ち退くまで1日当たり約2万1000円の制裁金支払い(間接強制)も命じた。テント側の全面敗訴だ。
村上正敏裁判長は、テントで歩行者の通行が妨げられるほか、防災上の危険もあることを指摘した上で、「表現の自由の行使という側面はあるが、国有地の占有は認められず、国が明け渡しを求めることは権利の乱用ではない」と判示した。
実際に23年12月30日夜、テントの住人が持ち込んだガソリン発電機から出火し、ぼやを起こす騒ぎもあった。住人は「火気を使用していない」と説明したが、経産省は火災予防についての警告板をテント前に掲示している。
「お金持ちが500万円出してくれた」
記者は弁護団の1人である大口昭彦弁護士に、なぜ不法占拠するのかと聞いてみた。