けいざい独談

〝経済音痴〟民主党政権時代の「円高株安」に戻りたいか? 日銀「大規模緩和」への批判に覚える「違和感」

円安・株高

 金融緩和でお金の量が増えると価値は下がる。この結果、大規模緩和のスタート時に1ドル=95円台だった円相場は、1年後には103円台と円安が進んだ。東京株式市場でも自動車や電機など輸出関連銘柄を中心に買われ、大幅な株高にもつながった。

 当時、マスコミ報道やエコノミストの論評も「評価」が「批判」を上回っていたように思う。

 物価上昇率も昨年4月に1.5%(消費税増税影響を除く)を記録。エコノミストたちは「円安による輸入物価の上昇がこれほど大きいとは思わなかった」と日銀の読みの正しさを認めざるを得なかった。

 黒田総裁も同年6月にヨルダンで講演し、「実体経済を刺激するというメカニズムを実践した」と金融緩和の効果を力強くアピールしていたほどだ。

追加緩和

 だが、消費税増税による景気の押し下げ効果は「思ったより大きかった」(日銀幹部)。昨夏から生産や消費などの経済指標が弱含み、原油安で物価の伸びも小さくなってきたのだ。

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