話の肖像画

演出家・蜷川幸雄(4)若者の劇団には古典劇を

稽古では怒鳴りまくりです。駄目ならキャストもすぐ入れ替える。その繰り返し。本の読み方、芝居作りの過程を明らかにしていく。古典の戯曲を勉強しないで、俳優として生き残った例なんかない。何年かははやっても、絶対に生き残らない。それを教えようとしているのですが、「カリギュラ」(26年)で、「ちょっと手応えあったな」と思い始めました。

〈若手俳優を抜擢(ばってき)する「目」には、定評がある。藤原竜也さん、小栗旬さん、勝村政信さん、松重豊さん…。みな蜷川演出の舞台で発掘され、大きく羽ばたいた俳優だ〉

自分が育てたなどとは決して思わないですが、「これはいいなぁ」と思った俳優が、どんどんはやっていくと、いい気持ちですよ。基本的に僕はトップにいかないで、手前で世の中を斜(しゃ)に見ている俳優が好きなんだよね(笑)。

トップを横目で見ながら、「おれたちだって…」と思っている鬱屈した若者に、活躍の場を作る。「こいつら、悪そうでいいなぁ」と思っていたら、みんないい俳優になったもんね。

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