法廷から

隣客を暴行死させ、そのままラーメンを完食した男に「懲役7年」 法廷で男が見せた「号泣」と「自己分析」

被害者が動かなくなった様子を見て、「やり過ぎだな。大変なことになると思った」と振り返った。

カウンターの席に戻り、「従業員が110番、119番通報したと話したので、自分はやらなかった」と述べた。座った席から後ろを振り向くと、被害者が鼻と口から血が出ていて息ができなさそうにしていた。近寄って被害者の頭を持ち上げたところ、「別の客から『動かさない方がいい』といわれた」ので、元の状態に戻したという。

血が手に着いたのでトイレに行き、洗い流し再び席に戻った。「このまま捕まると、たぶんちゃんとした食べ物は取れなくなる」と考え、Dセット(850円)のみそラーメンと半チャーハンセットを追加注文。さらに、「捕まってしまうと無銭飲食になるかなと思った」と、先に会計も済ませていた。警察官が店に到着した際「犯人はどこか」と声を出した際も、カウンター席で食事を続けていたという。

母の姿に被告は…

今西被告は事件について淡々と語っていたが、弁護人から傍聴席に母親が来ているか尋ねられると号泣。しばらく証言できなくなるほど泣き続けた。

証人尋問で母親も証人出廷。今西被告と2人暮らしで、同じ会社に勤務。昼は一度自宅に戻り一緒に食事するなど、基本は3食とも2人でとっていたという。家で酒を飲むことはなく、外に飲みに行くのも週1回程度だった。

給与は手取りで15万円ほどだったが、5万円を母親に渡していたという。「やさしくて、親思いで私にとってはすばらしい息子です」。母親の証言を聞く今西被告は、終始泣き続けていた。事件の知らせを受けたとき「驚きでどうしていいか分からなくなった」といい、事件後には42年間勤めた会社を辞め、体調を崩した。

母親は、「事件後に息子から何回も手紙が来て、『家族を巻き込んで申し訳ない。自分のことはいないものと考え縁を切ってほしい』という内容だった」と、涙ながらに語った。

被害者は身内がおらず、遺骨の引き取り手がいなかったという。「ショックで何かできないか」と、今西被告の母親は遺骨の引き取り先を探したが最終的に見つからず、一時保管されていた寺で供養をしたという。

証人尋問を終えて傍聴席に戻った母親は、その後もハンカチで目を押さえ続けていた。

検察官が被告の認識の甘さを諭す“説教”も

「昔から体がでかく、手を出してはいけないと教えられてきた」と今西被告。事件について「被害者の人生を終わらせてしまったことに申し訳ございません」と謝罪。一方で、「なんで手を出したか、悪いことだという認識はあるが、いまだに分からない」とも振り返った。