法廷から

隣客を暴行死させ、そのままラーメンを完食した男に「懲役7年」 法廷で男が見せた「号泣」と「自己分析」

昨年9月、東京都北区のラーメン店で、ささいなトラブルから隣の男性客に暴行を加え死亡させたとして、傷害致死罪に問われた東京都足立区の無職、今西伸一郎被告(38)の裁判員裁判の判決が3月19日に東京地裁であり、懲役7年(求刑懲役10年)が言い渡された。犯行後も警察官が駆けつけるまでラーメンを追加注文してすすっていたという巨漢の男は、法廷では母の姿に何度も泣き崩れた。犯行時の粗暴さとは逆に、公判で明らかになったのは母親への思いなど別の一面だった。

行きつけのフィリピンパブで深酒し…

黒色のスーツに青色のネクタイ、短めの髪をオールバックにして法廷に姿を見せた今西被告。傍聴席に座る母親など関係者を見つけて笑顔をみせたが、すぐに場違いだと気づいたのか、表情を引き締めた。

昨年9月の逮捕時は身長175センチで体重120キログラムだったというが、顎周りがすっきりするなど、かなり痩せた印象。証言台に立った被告は起訴状に対する認否を問われ、「間違いありません」とはっきりした口調で認めた。

起訴状などによると、今西被告は昨年9月27日、北区のラーメン店で、口論となった男性客=当時(49)=の襟をつかんで引き倒し、顔や腹を数回踏みつけて死亡させたとしている。

冒頭陳述や被告人質問などから、犯行に至るまでの詳細な経緯が明かされた。

昨年9月26日。今西被告は当時勤務していたネジ加工会社の仕事を終え、午後5時半ごろ足立区内の自宅にいったん帰宅。その後、月に1、2回通っていたという中野区にあるフィリピンパブに向かった。

午後7時ごろにパブの近くに着き、居酒屋でビールや焼酎を軽く飲んだ後、午後8時にパブに入店。3時間ほど滞在し、焼酎ボトルを3分の2ほど開けた。今西被告の法廷供述によると、「それ以上飲むとベロンベロンになり、記憶がなくなる一歩手前の状態」になり、翌日の仕事のために店を後にした。

自宅に帰るためJR田端駅に降りた際、駅近くのラーメン店が目についた。「帰ったらすぐ寝るだけだから、食事を済ませよう」と、犯行現場の店に向かった。

犯行後、無銭飲食にならないよう会計を済ませていた

犯行はあっという間の出来事だった。

今西被告の供述によれば、日付が変わった27日午前0時すぎに店内に入店し、カウンターに座ったという。餃子と酎ハイを注文したところ、2つ右側の席に被害者が座った。被害者が2人の間の空いているいすにバッグを置いて引き寄せようとしたところ、このいすに足を掛けていた今西被告がバランスを崩した。

もう一度被害者がいすを引き寄せたので「何だよ」と言ったところ、「いいんじゃねえかよ」と言い返されたので、「けんかを売られていると思った。血が上った」と被害者の襟首をつかんで引き倒した。顔を2回踏み、その後腹を2回、靴を履いたまま踏みつけた。