日本の議論

「医薬分業」誰のため 「院外処方」で患者負担が増している不道理

 厚労省は、病院の建物や敷地の中に薬局を置くと、医師の処方箋を薬剤師がチェックするという安全性が揺らぎかねないとの懸念がある、と指摘する。「薬局の独立性」はどうしても譲れないのだという。

 「病院内にコンビニエンスストアがあるが、院内にあるから(コンビニの)経営がおかしいというものではない」。委員側からこう畳みかけられても、厚労省側は「コンビニとは必ずしも一緒ではない。医者と薬の関係を考えると、経営上の独立性をどう確実にしていくかだ」と反論した。

 医薬分業は意外に古い。昭和31年にスタートした。病院と薬局の経営が一体化していると、薬の仕入れ価格と国が決めている薬の価格(公定価格)との価格差、いわば「薬価差益」が病院側の利益となり、薬を処方すればするほどもうかる「過剰投与」を改めるのが目的にある。

 分離することによって、医師は必要最小限の薬を処方し、薬剤師は処方箋をチェックしながら患者に薬を出すという役割を担う形になった。厚労省は省令で、構造的にも病院内に薬局を置けないようにした。

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