「維新がこちらに近付いている」…にわかに進む「自維共闘」 維新国対に橋下氏の影

衆院予算委員会で維新の党の井坂信彦氏(左)の質問に答える安倍晋三首相、国会運営では自維共闘も目立ち始めている=30日午前、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)
衆院予算委員会で維新の党の井坂信彦氏(左)の質問に答える安倍晋三首相、国会運営では自維共闘も目立ち始めている=30日午前、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)

 自民党が国会運営で維新の党を重宝するケースが目立っている。維新は、民主党が抵抗した平成27年度NHK予算案の衆院採決にあっさりと合意し、民主党の戦略を骨抜きにした。公明党が難色を示すカジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)整備推進法案の早期審議も後押ししている。にわかに進む「自維共闘」の背景にあるものとは-。(沢田大典)

 「維新がこちらに近付いている。そういった形を各委員会でも作ってほしい」

 自民党の佐藤勉国対委員長は25日の国対幹部会合で、そう指示した。念頭にあったのは、26日の衆院本会議で承認されたNHK予算案だ。民主党は籾(もみ)井(い)勝(かつ)人(と)会長の資質を問題視して26日の採決に難色を示し、欠席をにおわせていた。

 しかし、維新はNHK予算案には反対するものの、採決には合意することを早くから自民党側に伝達。自民党国対幹部は強気の交渉に臨んだ。結局、民主党は26日の本会議に出席し、NHK予算案に反対した。

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