経済裏読み

「えっ、もう買えるの」やっぱり出たパクリ…中国「アップルウォッチ」狂想曲、習指導部の「倹約令」が冷や水?

 だが、アップルが頼みとする中国の富裕層ですらも安泰ではない。習近平国家主席が陣頭指揮をとって進める倹約、反腐敗運動の余波が及ぶのでは、との見方が広がっているからだ。

 中国では最近、大物企業のトップが汚職などで摘発されたり、調査されるケースが相次いでいる。中国共産党の中央規律検査委員会は3月に入って、国有自動車大手、第一汽車集団の徐建一会長と、国有資源大手「中国石油天然ガス集団」の廖永遠総経理(社長に相当)を調査していると発表した。いずれも重大な規律違反があったという。

 習指導部は派手な浪費や汚職の広がりを問題視しており、実際に贈答が制限され、中国の高級品の売り上げは落ち込んでいるとされる。米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーによると、中国本土の2014年の高級品支出は前年比で初めてマイナスに転じた見込みだ。

 米調査会社IDCのアナリストはブルームバーグに対し、「中国がアップルウオッチの最大の市場の一つになるはずだったが、様相が変わってくる可能性がある」と指摘している。

会員限定記事会員サービス詳細