経済裏読み

「えっ、もう買えるの」やっぱり出たパクリ…中国「アップルウォッチ」狂想曲、習指導部の「倹約令」が冷や水?

 このため、中国で高級品を求める消費者にアピールするとみられており、中国の調査会社幹部はブルームバーグに対し、「あこがれのブランドで、中国で大ヒットするだろう」との見方を示している。

 ファッション性を兼ね備えたIT製品という位置づけから、ロイター通信は「宝石をちりばめたロレックスや太い金の腕輪を『成金趣味』と敬遠する都市部富裕層に、アップルウオッチは受ける」との中国の会員制クラブ関係者の分析を引用している。

 アップルもアップルウオッチの発売にあたって、中国市場をリサーチし、複数の中国企業と提携するなど、周到に準備を重ねてきた。たとえば、中国の電子商取引大手アリババグループは、オンライン決済のアプリをアップルウオッチで対応できるようにした。

 アイフォーンなどこれまでのアップルの新製品は、日米や欧州などで先行発売された後に中国で売り出されるケースが少なくなかった。その結果、模倣品の販売が過熱し、米国などで購入された本物が中国で横流しされる事態も招き、結果としてアップルのブランドイメージを落とした。

 アップルウオッチの販売戦略は、そうした教訓と、中国市場を一段と重視するアップル経営陣の思惑から練り込まれている。

 今や、同社にとって中国は米国、欧州に次ぐ市場に育ち、クック最高経営責任者(CEO)も「いずれは中国が最大市場になる」との見方まで示している。

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