4月に発売される米アップルの腕時計型端末「アップルウオッチ」をめぐり、中国が熱気に包まれている。中国人に人気の金(ゴールド)が素材の高級モデルに注目が集まり、発売を待ちきれない消費者を狙った本物まがいの類似品が相次ぐなど、騒動は過熱。ただ、習近平政権の「倹約令」や汚職撲滅キャンペーンが冷や水をかけるとの見方もある。
専門家も驚き
「もう買えるらしいぞ」
アップルが4月24日から日米と同時に中国でアップルウオッチを売り出すと発表した3月9日。
それから1日もたたずに、中国のインターネット上で、アップルウオッチの模倣品が出回っているとの情報が駆け巡った。
類似品の発売元も種類もさまざまで、商品名も「IWATCH」や「AW08」などアップルウオッチを連想させるものが多い。いずれもデザインはアップルウオッチとそっくりで、歩数を測れたり、アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」と連動するなど、本家によく似た機能を備えている。米CNNは「本物が発売されないうちにコピー商品を開発・発売するスピードには、専門家さえ驚きを隠さない」と伝えている。
中国ではアイフォーンも模倣品や類似品が出回ったが、アップルウオッチでも同じ現象が起きている。
本物のアップルウオッチの中国での販売価格は2588元(約5万円)からで、高級モデルには18金が使われており、上位機種ともなれば高級腕時計に匹敵する高額商品だ。
中国での販売が当初伸び悩んでいたアイフォーンも、金色タイプの品ぞろえを強化したところ、瞬く間に人気となり、中国市場にアップルが大きな地歩を築くことになった。