習政権が進める司法制度改革は党幹部、特にこれまで地方の司法を牛耳ってきた地方官僚の介入を抑制することが主眼のひとつとなっている。今回の報道は、上海の党上層部による司法介入を牽制したとも読める。
ただ習政権が進める司法制度改革は、決して欧米側の三権分立や司法の独立を指向するものではなく、中国共産党による指導が絶対的な前提だ。
中国は多様化する利害の調整機能として司法を必要としており、その独立性はある程度強化されるだろう。ただ共産党の一党統治に挑戦したり、民族問題に関係するなど政治的に敏感な問題については、今後も党が強いグリップを保ち続けるとみられる。