末端の裁判所ではどうしようもない
裁判に何者かの介入があったことを示す決定的な証拠も暴露された。差し戻し審の判決後、横領などの被害者である鉄鋼会社の幹部が裁判長に電話をかけた際の会話が録音されていたのだ。
「われわれの意見がそのまま判決に反映されたわけではない」
「われわれではコントロールできない事案なんだ。私は一介の裁判官にすぎない。様々な要素が絡んでいる。末端の裁判所ではどうしようもないんだ」
こうした報道を受けて、ネット上では司法制度の腐敗に対する怒りの声がわき上がった。
「金で判決が買えるということが明らかになった」
「中国は法治国家!笑い話だ」
裁判所で働いていると自称する人物はこう書き込んだ。「裁判所の人事評価や異動、経費などはすべて政府に権限があり、みな上のいいなりだ。司法の公正などどこにある」
地方官僚を牽制か
民主法制時報は中国法学会が主管しており、今回の暴露が官製メディアによって行われた点にも留意する必要がある。報道には政権の了承ないしは意向があったはずだ。